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🎵1つの音を連続して弾かせれば、実力がわかる!

中学生の合唱祭を聴いての感想です。
3学年で14クラス、心のこもった歌に酔いしれるひとときでした。
そして、職業柄、ピアノ伴奏に関してなるほど・・と思うことがありました。

歌の伴奏は同じ和音の連続が多く、その弾き方で
「あ、この人は上手。」とか「う〜ん、イマイチ。」とわかってしまいます。
同じ音だからといって、ただ「おんなじだ〜、楽だ〜」と弾いていると、工事現場のドリルの音のようになってしまいます(音楽的には❌)

例えば、1拍を2つに分けた和音の連続だったら、(1ト2ト3ト・・)と拍を感じることを忘れずに弾くことで、音楽が心地よく前に進みます。
具体的に言うと、1、2、3、が下に打つ音で、トは上に持ち上げるイメージで弾くと良いと思います。

更に、同じ和音でもバスの変化により、盛り上がっていくのか、納めるのか、また、戯れているのか・・など
多様なキャラクターがあることに気づきます。

と、偉そうに言っているこの私も、以前<メンデルスゾーンの厳格な変奏曲>をレッスンに持って行った時、
「同じ音が5つ続いている所は、どー弾くの?」と師に問われて、「へっ?!」(全然考えていなかった💦)大反省! 人のことを言えた義理ではないかもしれぬ・・。

最後にもう一つ、勉強会で聴いたクラリネット奏者の1音のロングトーンが絶妙でした。クレッシェンド、デクレッシェンドがあり、息の圧による微妙な変化があり、ピアノでは出来ない表現を限りなく羨ましく感じました。

1つの音、奥が深いですね。

”同じピアノなのに、演奏者によって、まるで別のピアノを弾いているかのように聴こえる・・”
という経験は、実に貴重なものです。
発表会やコンクールの聴衆からよく聞かれる感想です。

その昔、ピアノはタッチが重く、強い音が出せること、速く弾けることが高く評価されました。
ピアニストを志す者の中には、ピアノに毛布をかぶせたり、鍵盤に鉛を入れて重くしたりして負荷をかけることで、指の強化を訓練していた人がいました。

変遷を遂げ、現在のピアノはタッチが軽く、いかに打鍵のコントロールが出来、多彩な音色が出せるか・・ということが求められる時代になりました。

打鍵のコントロールには、しなやかな身体の使い方と、微妙なニュアンスを聴き分けられる良い耳が必要です。
そして、ピアノという楽器は誰にでも簡単に音を出すことができるが故に、ちょっとやそっとのことでは他との差がつかないところが難しく、
たゆまぬ努力が 大切です。

重さ50g、深さ1㎝ の鍵盤のタッチを考えて、工夫して、練習して・・そして何よりも大切なのは感ずる心。
膨大なる時間と努力の結晶である珠玉の音は、人々の感動を生み出します。